■ 国立能楽堂

aquio2004-09-17

国立能楽堂狂言と能を観に行く。
狂言の演目は「貰婿」、能は「唐船」。
酒癖の悪い亭主が酔っぱらって
家に帰ってくるところから貰婿のシーンは始まる。
亭主の酒癖の悪さをなじる妻に向かって、
亭主は殴る蹴るの暴行をくわえたあげく、
三行半を言い渡してしまう・・・。
妻は泣く泣く実家に帰り、
「金輪際、夫の元には帰らない」と実父に訴える。
そこへ、酔いの覚めた亭主が迎えに来て、
「誓って酒を断つから妻とのヨリを戻したい」と哀願するが、
実父は婿をなじって、娘は帰さないと言う。
帰す、帰さないの押し問答のあげく、
とうとう二人は取っ組み合いの喧嘩をしてしまう。
その成り行きを物陰から見ていた妻は、
夫の加勢にまわり、
実父の片脚をとり、実父を床の上に引っくり返してしまう。
仲たがいをしたはずの夫婦が
手に手をとっていそいそと帰っていく様を見送りながら、
実父は、「来年の祭りには呼ばんからなぁ」と叫ぶ。
酔いから覚め、素面に戻った夫の、
「さてさて世に酒ほど恐ろしいものはない」という台詞が笑わせる。
狂言は実に面白い。