■ 白馬村

aquio2005-01-08

昨夜から今朝にかけて、
東粟倉村には約三十センチもの積雪があった。
「冬はつとめて 雪の降りたるはいふべきにもあらず」
枕草子」の一節。
冬の東粟倉村の朝は実に清々しい。
今朝は突き抜けるような青空が広がっている。
雪が降る季節になると、
白馬村に住んでいた頃のことを思い出す。
私が白馬村に移り住んだのは今から二十九年前。
当時、白馬はとても長閑な美しい村だった。
しかし、今はもう
その頃の面影はどこにも残されていない。
一九九八年に開催された冬期オリンピック。
村が変様していくすべての原因は、
あのオリンピックにあったように思える。
開催候補地が長野県に決まった頃、
その頃から白馬村はおかしくなり始めた・・・。
それまでは二束三文であった土地に値がつき、
地権者たちは一夜にして億万長者になった。
田圃の真ん中に御殿のような家が建ち、駅前にキャバレーができた。
地あげ屋が徘徊し、ヤクザが国道筋に事務所を開く。
土建屋は贈賄の容疑で逮捕され、村長は収賄の容疑で逮捕された。
「白馬にオリンピックはいらない」
「静かに一日一日を丁寧に過ごしたい」。
そう願う人々も多かったが、
その人々の声は議会に届かなかった・・・。
地域住民の意識が変わる時、
地域は滅ぶ・・・。