■ 稲垣来三郎匠

aquio2005-01-24

長野県飯田市から
TさんとSさんがいらっしゃる。
飯田には、
味噌と漬け物で有名な
「稲垣来三郎匠」という名の店がある。
お二人から、
その店の漬け物を頂戴する。
大根、胡瓜、人参、生姜を
醤油に漬け込んだ「宝蔵漬」。
モリアザミの根を醤油に漬けた
「山ごぼうしょうゆ漬」。
野沢菜、大根、胡瓜、山ごぼう
味噌で和えた「山彩菜/さんさいさい」。
熱々のご飯の上に山彩菜をのっけて食べる。
あぁ、美味い・・・。
稲垣来三郎匠は明治四十一年の創業。
漬け物は、
その創業の年に発行された新聞(復刻版)に包まれていた。
宝蔵漬を摘みながら新聞に眼を通す。
右上に、「今度江戸町内藤枝屋敷跡へ引移り候
相変らず御尋ねの程願上候」と印刷されている。
なにかというと、
これ、産婆の「小澤慎さん」の宣伝。
「滋養大関・人體の肥料・効牛乳の数倍」
これは「次亜燐/じありん」という名の、
まあ、今で言う「栄養ドリンク」の宣伝。
効き目は牛乳の数倍もあるらしいが、
人體の肥料とはよく言った。
横綱ではなく、
大関と謳うところが、また、奥ゆかしいではないか。
「内科外科産科婦人科耳科眼科鼻科咽喉科」
「梅毒淋病痔疾注射」
これは「平田医院」。
「為メニ火事ヲ恐レル人やけどヲ恐レル人」
「焼死ヌ事ヲ恐レル人ハ安全石油冬美油ヲ使用セヨ」
ラムネ製造元「大泉舎」の宣伝。
ラムネを作っている合間に油も売っていたらしい。
多角経営の先駆か・・・。
「おいしいこと此上なし」
稲垣来三郎匠の宣伝もあった。