■ 花韮

aquio2005-04-07

いつもの道順を少し変えてみた。
裏通りや路地を選びながら職場に向かう。
民家の石垣に、
薄紫色の可憐な花が咲いていた。
香りを嗅いでみると、
葉や茎から「韮」のような臭いがする。
携帯のカメラで写真を撮る。
山野草の図鑑で調べてみたところ、
米原産の帰化植物で、
花韮/はなにら」、
または「西洋甘菜/せいようあまな」と、
そう呼ばれる植物であることが判明する。
繁殖力が旺盛な植物であるらしく、
よく花壇から逃げ出して野生化するらしい。
葉の長さは十センチほど。
とても小さい。
葉の形からして「ユリ科」の植物であることが分かる。
帰化植物なのに、
元からそこに咲いていたかのような風情がある・・・。
花韮の少し横にはタンポポが咲いていた。
昼食の後、
もう一度同じ道を歩いてみた。
アパートの二階から赤ちゃんの泣き声が聞こえる。
子どもたちが地べたに座って遊んでいる。
お婆さんが花に水をやっている。
お婆さんと軽く会釈を交わす。
裏道には人の生活の臭いが漂っている。
明日からは
この道を通って出勤することにしよう。
澄ました顔の表通りはつまらない。