■ 別離

aquio2005-06-02

Tが死んだ。
心筋梗塞による急死だった。
昨日がその告別式。
行ってやることができなかった。
この歳になると、人との別れが身に応える。
心が沈む・・・。
酒好きだったTを偲んで酒を一本買う。
アパートに帰り独りになると、
寂寞たる想いに囚われる。
いくら飲んでも酔わない。
「今日でもうお終いなの
 あなたとの愛の暮らし
 明日からは
 ワイングラスも この灰皿 なにもかも
 あなたの匂いのするものはみんな 捨てましょう
 忘れるため 
 捨てましょう 愛の暮らしを・・・・」
疎覚えだが、こんな歌詞だったと思う。
「別離/わかれ」という名の歌。
二十歳の頃、Tがよく歌っていた。
歌の上手い奴だった。
酒を飲みながら、
錆だらけのブルーバードでTと旅をしたことを思い出す。
思い出を語れる仲間が少しずついなくなっていく。
歳をとって感じる喜びは大きいが、
歳をとって感じる悲しみも、また大きい・・・。
喜びと悲しみ。
人生はそれで「おあいこ」ということなのだろうか。