■ 散歩道

aquio2005-11-15

早く眼が覚める。
久しぶりにゆったりとした気分。
コーヒーを淹れる。
外は見るからに寒そう・・・。
押入れの中からコートを引っ張り出し、
早朝の散歩に出かける。
アパートの階段を下りていると、
母親の子どもを起す声が聞えてくる。
いつもの散歩道に向かう。
上に向かって右側に銀杏、左側に欅の並木の散歩道。
銀杏の黄と欅の茶のコントラスト・・・。
銀杏の落ち葉を踏みながら歩く。
「鳩が飛び立つ公園の
 銀杏は手品師 老いたピエロ
 前口上は言わないけれど 慣れた手つきで カードを捌くよ
 ルルル〜ルルル〜ルルル〜・・・・」
銀杏の落ち葉をトランプのカードに見立てた歌。
曲の題名は何といったっけ・・・?
往年の「フランク・永井」が甘く低い声で歌っていた。
貧乏な画学生であった頃、
梅田から天王寺までよく歩いたものだった。
地下鉄にも乗らずによく歩いた。
地下鉄に乗る金がある時は、その金で木炭紙を買った。
銀杏並木の御堂筋を歩きながら、よくこの曲を口笛で吹いたものだった。
いろんなことを思い出す。
歌を口遊みながら落ち葉を踏んで歩く。
素晴らしく気分がいい。
犬を連れた老爺とすれ違う。
軽く会釈を交わす。
散歩道を小一時間ほど歩いてアパートに戻る。
コーヒーを淹れなおして飲む。
しみじみ美味しい・・・。
今夜は岡山に移動し、岡山から島根に向かう予定。