■ 社畜

aquio2005-11-21

朝のニュース番組を見る。
テレビのスイッチを入れるのは久しぶりのこと。
どのチャンネルを回しても同じニュースが流れていた。
某設計士が設計した建物に倒壊の恐れがあるらしい。
建築のコスト・ダウンを図るため、
設計士は意図的に鉄筋の量を少なく見積もったらしい。
いったい誰がその設計士にそう指示したのだろうか・・・。
今から約三十年ほど前、
私は長野県の白馬村に小さな家を建てた。
「どうしてトイレは水洗にならないのか?」という私の問に、
「○○○ハウス」の担当部長は
白馬村の環境条例でトイレは汲み取り方式と決まっています」と、
そう明確に答えた・・・。
私はその言葉を信じた・・・。
しかし、白馬村にそのような条例は存在しなかった。
マントルピースの煙突にも耐火処理がなされていなかった。
そのせいで、あやうく家が全焼しかけるという事件もあった・・・。
家の各所に様々な手抜きがあった。
それらを指摘すると、
「なんでしたら裁判にかけていただいても結構ですよ」と、
その担当部長は居直った・・・。
自分で餌を探すこともできない男。
会社に飼い馴らされた男。
「金」のためには平気で嘘をつき、
「会社」のためには平気で人を騙す。
そのような男たちを「社畜」と呼んだのは「佐高信」だったと記憶している。
今朝のニュースを見ながら、
白馬村に住んでいた頃のことを思い出していた。
生活のために「社畜」に成り下がる男たちのなんと多いことか。
生活のために「プライド」を捨てる男たちのなんと多いことか。
そして、「金」のために社員に嘘をつくことを強要する経営者たち。
そんな経営者たちが「大物」と呼ばれる日本。
不思議な社会ではある・・・。