■ 描き直し

aquio2006-09-09

ドイツに旅立つ前に提出した絵コンテが帰ってくる。
自信作であったが、
「雰囲気が暗い」という評価が一部にあったらしい。
担当者たちはとても気に入ってくれたらしいが、
頭の硬い上役連中がイチャモンをつけてきたという。
ま、そういうこともあるだろう。
今朝、担当のMさんから描き直しの依頼がある。
雰囲気が暗いというのであれば、
全体のトーンを変えればいいだけなのだが、
いったい何が上役のお気に召さなかったのだろう。
いったいあの絵コンテのどこが暗いというのか。
その理由を問いただしたが、
Mさんの釈明は一向に要領を得ない・・・。
ま、要は主観の問題であるらしい。
好き嫌いの問題であるから、
上役たちが問題点を客観的に指摘できるはずは、ない。
上役たちの反対意見をことごとく論破することは可能だが、
そうすれば、上役たちの立場はなくなる・・・。
それ以上に、Mさんが立場を失くしてしまうかもしれない。
上役と私の間に立つMさんが気の毒になってくる。
Mさんのため、
暖めていた第二案・第三案の絵コンテを描くことにする。
トーンも思いっきり明るく仕上げる。
ひょっとしたら、今度は明る過ぎると言ってくるかもしれない。
もし、そう言ってきたら、
Mさんには悪いが、この仕事は断ることにしよう。
滑り出しの悪かった仕事がうまくいった例は、今までにない。
最初にギクシャクした仕事は、
最後までギクシャクするものである。