■ 切手

aquio2007-02-01

Kさんとおっしゃる女性から一通の封書を頂戴する。
お名前に心当りがない。
開いてみると、
丁寧な礼状とともに、一枚の切手が同封されていた。
昨年末、私はPホテルの依頼を受け、
一基のディスプレー台を制作したことがあった。
ホテルの玄関を飾るシュビップ・ボーゲン。
今年の干支である猪と、萩をモチーフにしたもの。
過日、Pホテルの担当の方からお電話があった。
「シュビップ・ボーゲンの画像を切手に仕立てたい」、
そう希望されるお客様がいらっしゃるというのだ。
「あぁ、なんぼでも使ってください」、と答えたが、
著作権の問題がある」、というお返事。
作者の使用許可がなければ、
郵政省はOKのサインを出してくれないらしい。
著作権料はおいくらですか?」、と訊かれるから、
「お金はいりません」
「出来上がった切手を一枚ください」
「それが著作権料です」
「お客様にはそのようにお伝えください」、とそう答えておいた。
そのお客様というのが、愛知県東海市にお住まいのKさんだったのだ。
それにしても、見知らぬ女性からの封書はドキドキするものである。
そんな初心な心が私に残っていたことに驚く。
「どこかで俺のことを見初めた女やろか?」とか、
「ひょっとしたら、死んだ亭主の面影を俺に見た女やろか?」とか、
「恋心を打ち明けられたら、どうしよう?」とか、
封を切る前にいろいろと考えてしまった。
そのことを職員に告げると、
「アホクサ、それを初心とは言いません」
「それはただのスケベです」、と言われてしまった。
さて、明日からドイツに出張。
帰国は二月十日の朝の予定。