■ Wさん
昨日は新潟にいた。
今日は東京。
少しも休ませてはいただけない。
鮫は泳ぎを止めると窒息してしまうという。
死ぬまで泳ぎを止めるワケにはいかないらしいが、
ひょっとしたら、
私も鮫に似た体質なのかもしれない・・・。
午後五時、
おもちゃデザイナーのWさんのアトリエを訪れる。
Wさんにお会いするのは本当に久しぶり。
テキパキと仕事の話を片付け、
糀谷駅前の蕎麦屋に向かう。
とてもお洒落な雰囲気の蕎麦屋。
今から二十年前、
もうその頃には、Wさんは日本を代表するおもちゃデザイナーでいらっしゃった。
私が池袋のロフトで初の個展を開いた時、
Wさんはわざわざ会場まで足を運んでくださり、
朝日新聞のコラム欄に私の紹介記事を書いてくださった。
その記事がきっかけとなり、
私はおもちゃデザイナーとしての足がかりを得ることができた・・・。
私にとり、Wさんは大の恩人なのである。
車の話、社会主義の話、毛沢東の話、おもちゃの話、
子どもの話、女の話、ビジネスの話・・・・。
会話の内容は多岐に渡ったが、
実に有意義で楽しいひとときであった。
Sさんを交え、四時間は飲んでいただろうか。
舞茸の天婦羅が美味かった。
仕上げの蒸篭蕎麦も美味かった。
神戸において、この十月六日から「神戸ビエンナーレ2007」が始まる。
Wさん、おもちゃデザイナーのNさん、造形大のK教授、そして私。
この四人が一週間ずつ、
おもちゃを通して神戸の子どもたちと関わることになった。
さて、私は何をしようか・・・。
Wさんにはすっかりご馳走になってしまったが、
十月にはまた神戸でお会いできる。
今夜のリターンマッチは神戸で、ということにしておこう。