■ 搬入

aquio2008-12-04

明日から銀座「MIKIMOTO」において、
「ドイツ木工マイスターに受け継がれる匠」展が始まる。
午前九時、「MIKIMOTO」の通用口に関係者が集合。
ザイフェンからの荷物はすでに成田から届いていた。
午前十時、飾り付けの作業開始。
岡山の職場からは「ノアの方舟」も届いている。
他の作業は皆さんにお任せし、
「鎖のシャンデリア」と、
「蜘蛛のシャンデリア」の組み立てに取り掛かる。
何しろ世界でたった一つしか残されていないものであるから、
取り扱いには注意をはらわなくてはならない。
汚れることを気にして手袋をはめていたら、
あまりにも部品が小さすぎて指先の感覚がつかめない。
このままでは落下などの事故を引き起こしかねない、と判断し、
素手で二百個あまりの部品を取り付けていくことにした。
午後三時、「鎖のシャンデリア」の組み立て完了。
引き続き「蜘蛛のシャンデリア」の組み立てに取り掛かる。
「鎖のシャンデリア」に比べ、
その部品の数は圧倒的に少ないから、組み立ては比較的短時間で終了する。
二つのシャンデリアに、
Sさんが買ってきてくれたロウソクを取り付ける。
実に美しい・・・。
昔、ザイフェンはまたガラスの材料を産出する地域でもあった。
村にはボヘミア辺りからのガラス職人たちも住みついていたらしいが、
彼らが作るシャンデリアは庶民にとって高嶺の花のような存在であったらしい。
で、木工職人たちは、木を削ってガラスのシャンデリアと同じようなモノを作った、という。
多分、クリスマスや特別な行事の度に組み立てと分解を繰り返したのだろう、
シャンデリアにはその痕跡がいくつも残されていた。
腕に覚えのない家人が修理したような痕跡も残されている・・・。
シャンデリアを作った職人の家の歴史が垣間見えて、とても興味深い。