■ 台風一過

「中国自動車道は全線通行可能」
そんな「日本道路公団」の情報を真に受け、
西宮北インターから中国自動車道に乗り、
作用インターを抜けて自宅に戻る。
途中、滝野社の辺りから
雲行きがにわかに怪しくなってきた。
危険を感じ、スピードを６０キロ程度に減速する。
突風を受けて車が激しく左に煽られる。
前輪にカウンターをあてつつ走る。
ハンドルを持つ手に力が入る。
なんとか加西のサービス・エリアにたどり着けたが、
サービス・エリアにおける情報によると、
通行止めになっているのは、
はるか西方の広島県の中部あたりであるらしい。
「作用インターまでは走れる！」と判断する。
ゆっくりと車をスタートさせたが、
これが大間違いであった・・・。
山崎を抜けた辺りから風雨はますます激しくなり、
ワイパーをハイ・スピードで動かすが、
前方がまったく見えなくなってしまう・・・。
路肩にできた水たまりに何度も何度も突っ込む。
車輪にトラクションを与えるため、
ギアを４速から３速、３速から２速に落として走る。
ガス・メーターの針が見る間に＜Ｅ＞マークに近付いていく・・。
なんとか自宅の近くまで辿り着くことができたが、
道路際の赤松が風で薙ぎ倒されていた。
赤松の大木が道路を塞いでいたのだ。
車のエンジンを切り、暴風雨の中を自宅まで歩いて帰る。
靴の中までずぶ濡れになる。
もう、道路公団の情報は信用しないことにした。
台風一過。
今朝は雲間から青空が見える。