■ トア・ロード

aquio2004-09-26

東京からOがやって来る。
二人でトア・ロードのジャズ喫茶
「MOKUBA/木馬」に向かう。
この店は適度に汚れが行き届いていて、
オジサンたちにとってはなかなかに居心地がいい。
ビールとシチューとパンの軽い夕食をすませ、
「店の前の掃除が行き届いているか?」
「店の看板のデザイン・センスはどうか?」
「扉のデザインの可否」を手がかりに、
ハンター坂や北野坂界隈のバーの探検に出かける。
手始めに入ったのは「S」という名のバーであった。
こじんまりとまとまった、
まずまずのインテリアの店であった。
店内には「フランク・シナトラ」のポスターが貼られていた。
「シナトラ」の人形も置いてある。
店主は相当な「シナトラ」フリークと思えたが、
しかし、店内に流れるBGMはクール・ジャズであった。
「シナトラ」とクール・ジャズは繋がらないではないか・・・。
その後、我々はバー「R」に移動。
昔、真に迫った火星人来襲のラジオ放送が流れ、
全米がパニックに陥ったことがあった。
その「火星人来襲」の番組をでっち上げたのは、
あの「オーソン・ウエルズ」だった。
店内には、
その「ウエルズ」の若き日のポスターが貼ってあった。
ラジオ・マイクに向かっている「ウエルズ」の写真。
カウンターの向こうでは、
「ウエルズ」を知らない世代の若者がシェーカーを振っていたが、
どうにも酒の扱いがぞんざいであるように感じられる。
「ケッ、お酒様を馬鹿にするんじゃないぜ」と、
早々にその店を出る。
酔い覚ましのミネラル・ウオーターを片手に、
深夜のトア・ロードをウロウロと徘徊する。
お気に入りのバーを見つけるのは難しい。
ひょっとしたら、我々の注文が多すぎるのかもしれない・・・。