■ ん

aquio2004-11-19

仕事の帰り道、
久しぶりに「ん」を訪れる。
ご主人のSさんは、その昔、
ドイツ船籍の汽船の乗組員でいらっしゃった方。
入り口には「KAFFEE ZIMMER」、
つまり「COFFEE ROOM」の看板が掛かっている。
二人がけのソファーが四脚、
一人がけのソファーが二脚、
背の高いスツールが三脚だけの小さな喫茶店
店内にはいつも静かにクラシックが流れている。
金曜日の夜だというのに、
店内に客は私一人だけ・・・。
Sさんと男の歳のとり方について話が盛り上がる。
パイプ煙草に火を点けようとしたら、
「いつもライターで火を点けているんですか?」と問われる。
「いや、いつもはマッチなんだけど、切らしてしまって」と答えると、
「店のマッチをあげるよ」と言ってくれる。
しばらくはパイプの話で盛り上がる・・・。
店の静けさに圧倒されるのだろう、
若造が入っては来れない雰囲気がここにはある。
神戸でも数少なくなってしまった、
大人が静かにゆったりと寛げる、
貴重な隠れ家の内の一つ。