■ 丹下左膳的胡桃割人形
高さ二メートル三十センチ、
重さ百五十キロの
巨大「クルミ割り人形」が戻ってくる。
顔に大きな傷がついていた。
顔が木目に沿って縦に割れている。
まるで丹下左膳のよう。
帽子には大きな凹みが・・・。
十二月になると、神戸では
地元のバレー団による
「クルミ割り人形」が毎年上演されてきた。
バレー上演の時期中、
このクルミ割り人形を劇団にお貸ししていたが、
位置を少しずらそうとしたとたん、
グラリと前のめりに倒れてしまったらしい・・・。
きっと、床が水平ではなかったのだろう。
人形の帽子の重さは三十キロ、
顔の重さだけでも二十五キロ。
よく誰も怪我をしなかったものだと、
胸を撫で下ろす。
仔細に破損部分を調べた結果、
修復は不可能であることが分かる。
はてさて、どうしたものか・・・・・。
今年も残すところあと僅か。
トラブルはこれが最後であればいいのだが・・・。