■ 三輪車

ドイツ「 PUCY 」社の三輪車を入手。
子どもの発育に合わせて、
シートは前後にスライドするように設計され、
ペダルにはラチェット機構、
後輪にはブレーキ機構が採用されている。
色は「赤・青・黄」、
つまり「色の三原色」で構成されている。
素晴らしいデザインの三輪車。
三輪車といえば・・・・、
私が幼児であった頃、
私は三輪車に乗って幼稚園に通っていた。
イカー通園。
自宅から幼稚園までの距離は約一キロ。
車の往来がほとんど無かった時代のこと。
小学校の敷地の一画に、その幼稚園は建っていた。
便所は小学校と共用であった。
薄暗い便所は、薄暗い通路の奥にあった。
便所に行くには、
理科室の前を通らなければならなかった。
理科室の入り口には、
等身大の人体骨格模型と、
等身大の人体解剖模型が置いてあった。
私はその前を通るのが恐かった。
いつもは自宅で用便を済ませていたのだが、
ある日、
あろうことか、
お絵描きの時間に便意を催してしまった。
人体模型の前を通って便所に行くか、
それとも、我慢するか・・・。
大きな葛藤があったのだ。
便所に立つことを決意したが、
時はすでに遅かった・・・。
パンツの中にウンチをちびってしまったのだ。
ウンチは半ズボンにまで滲みていた。
パンツの代えを持たされていなかった私は、
下半身素っぽんぽんのまま
三輪車に跨がって自宅に戻った。
自宅に帰る途中、
近所のオバチャン達が声をかけてきた。
「○○ちゃん、どうしたん?」
「あのなぁ、僕ウンチちびってしもたんや」
「○○ちゃん、その格好はどないしたん?」
「あのなぁ、僕ウンチちびってしもたんや」
同じ質問を何度されたことか・・・。
翌日も同じ三輪車で通園したが、
三輪車のサドルはとてもウンチ臭かった。