■ 鍵
自宅の玄関と裏口の鍵が各々一本。
職場の玄関と裏口の鍵が各々一本。
息子のアパートと、
私のアパートの鍵が各々一本。
アトリエの鍵が二種類。
東粟倉村の職場の鍵が三種類。
車の鍵が三種類。
危険物の入った工具箱の鍵が一本・・・。
数えてみると、
十八本もの鍵を持っていた。
どれも似たような鍵ばかり。
どれがどれやら分からなくなる時がある。
鍵束の整理を思い立ち、
ドイツのおもちゃメーカー、
「WALTER」社のキー・ホルダーを買ってきた。
「みなしごハッチ」的デザインが楽しい。
頭の部分が蓋になっていて、
蓋を開けると、
胴体の中に数本の鍵が収納できるという仕組み。
住所を記した紙を入れておけば、
迷子札としても使えそうではある。
ボケる歳にはまだまだ遠いが、
先のことは分からない。
一寸先は闇なのだ。
アルツハイマーという厄介な病気に罹らないとも限らない・・・。
酒の飲みすぎで「アル中ハイマー」というのもある。
今から連絡先を記した紙を入れておこうか。
みなしごハッチを首からぶら下げ、
町を徘徊するオッサンを見かけることがあったなら、
・・・それは私です。