■ ENZO MARI/エンツォ・マーリ・その4
自宅の倉庫の中に、
豚のポスターを保管していたことを思い出す。
豚を描いたのはエンツォ・マーリ。
約四十年ほど前の作品。
豚はシルク・スクリーンで印刷されている。
昨日、
頼んでおいた額が東急ハンズから届く。
ガラスを綺麗に磨き、
ポスターを入れてみる。
豚の鼻の先、
右側に過分の余白がとってあることで、
豚に動きが出ることが理解される。
何かに向かって豚が今にも動いていきそうな、
そんな物語が見える。
豚は何に興味を持ったのだろうか。
虫?、それとも餌?
素晴らしいデザイン・・・。
息子の店のために買ったものではなかったが、
まあ、いいや。
ちょうどいいから
プレゼントしてやることにする。
エンツォ・マーリがデザインしたポスターには、
ガチョウや梨、リンゴや豹もあったはず。
白地に緑の大きな梨が描かれていたり、
赤く大きなリンゴが描かれていたと、記憶している。
そういえば、
「平凡パンチ」の表紙のデザインで
一世を風靡した「大橋歩」も、
大きなリンゴの絵を描いていなかったか・・・。
三十年ほど前のことだったと思うが、
大橋歩も、
エンツォ・マーリに影響を受けたところがあったのかもしれない。