■ 崩壊

aquio2005-04-02

自宅のあるH村に帰る。
村の入り口にあった大根畑は、
一面の菜の花畑に変わっていた。
以前にも増して、
村には、
懐かしい田舎の原風景が戻ってきたように感じる。
六月ともなれば、
川の水面の上を蛍が乱舞するようになるが、
その蛍の数も、
年々多くなってきているように思える。
イワナやヤマメといった魚の数も増えてきた。
村には老人が多い。
村の老人比率は、
人口の四十五パーセントを超える。
農業に従事する人が年々少なくなっていく。
耕されることのなくなった畑は
荒れるがままに放置され、
放置された畑は、
もとの自然の状態に戻っていく・・・。
従って、使われる農薬の量も減少していく。
その結果、
村には蛍や魚が戻ってくるようになる。
村に自然が戻るということは、
村が滅んでいくということに繋がっている。
自然は豊かになって欲しいが、
村が滅んでしまっても困る・・・。
一昨日、
H村は新しい「市」に吸収されてしまった。
市の中心部から見れば、
H村など辺境の地でしかない。
村の崩壊に拍車がかかったように思える。
明日もまた、
H村に出向かなければならない。
アッ、
H村は一昨日に無くなってしまったのだ。
私の住む家の地番も、
岡山県M市U1720-2に変わってしまった・・・。