■ きっちゃてん

aquio2005-04-15

元町に出ると、
必ず立ち寄る喫茶店がある。
なかなかに美味しいコーヒーを飲ませてくれる。
煉瓦を敷き詰めた床。
表地を何度も張り替えたと思われる椅子。
脚をL字金具で補強した椅子。
漆喰の壁。
薄暗い照明・・・・。
ここには昭和三十〜四十年代の雰囲気が漂っている。
「喫茶店」でもないし「カフェ」でもない。
「きっちゃてん」と呼ぶのが、
一番似合っているような感じがする。
いつ訪れても、店内にはオールディズが流れている。
ウエイトレスのお嬢さんに訊いたところでは、
オールディズは店主の趣味であるらしい。
音楽とともに齢を重ねてきた店であるらしい。
ボビー・ソロ」が「君に涙と微笑みを」を歌っている。
「ミーナ」の「砂に消えた涙」や、
「ウイルマ・ゴイク」の「花のささやき」が流れてくる。
ついつい歌詞を口遊んでしまう自分がいる。
ここの「バター・トースト」はとても美味しい。
狐色に焼かれたパンも美味しいが、
たっぷりと塗られたバターも美味しい。
バターの上に少量の粉砂糖を振りかけて食べる。
とても甘くて懐かしい。
子どもの時代には、
よくこうしてパンを食べたものだった・・・。
甘いバター・トーストを食べた後、
熱く苦いコーヒーで口を漱ぐ。
とっても美味しい。
明日は元町の書店に納品がある。
明日もここに来ることにしよう。
また、バター・トーストを食べよう。
懐かしい神戸の街の雰囲気が漂うきっちゃてん。