■ WOLFGANG/ヴォルフガング・その2
ヴォルフガングを自宅に招待する。
午後七時、
職場のスタッフ達が箸と茶碗だけを持ってやって来る。
宴会が始まる。
ヴォルフガングはドイツ語しか喋れない。
「ナイン」、つまり英語の「ノー」にあたる言葉も、
ヴォルフガングが喋ると「ネー」としか聞こえない。
とても訛がきつい・・・。
通訳をしてくれたMさんの話によると、
つい最近まで、
ヴォルフガングはそれがドイツの標準語であると、
そう思い込んでいたらしい。
奥さんのウテさんは英語を勉強中。
お嬢さんのドローは英語がペラペラ。
宴もたけなわになってくると、
席は若者のグループと、
そうではないグループとに分かれてしまう。
向うの席でスタッフのKがドイツ語を喋っているではないか。
訊いてみると、
ドイツに二年間ほど滞在していたことがあるとか。
Sも流暢な英語でドローと話しこんでいる。
訊いてみると、
以前は駅前留学 NOVA の受付嬢であったとか。
知らなかった・・・。
HもAもたどたどしい英語でなんとか会話に付いていっている。
Mの関西弁訛りの英語はさっぱり判らない。
まだまだ子どもだと思っていたが、
スタッフ達は確実に成長してきている・・・。
なんだかとても嬉しい。
明日はKの運転でヴォルフガング一家を姫路城に案内する予定。
来年の四月、
ザイフェンで再会することを約束する。