■ 白い家

aquio2005-05-19

「白い家」のコーヒーが飲みたくなり、
後片付けもそこそこに、
車を走らせて帝塚山に向かった。
白い家の片隅には焙煎器が置いてある。
この店のコーヒーはとても芳ばしい。
コーヒー豆の量り売りもしてくれる。
その昔、マスターのNさんにもらった
オリジナルの「コーヒー缶」を持って出かける。
姫松の交差点の近く、
あるマンションの一階にある喫茶店だが、
昔は帝塚山三丁目の電停のすぐ前にあった。
発車の合図のベルを鳴らしながら走り出す路面電車
その「チンチン」という音を今でも懐かしく思い出す。
私が初めて白い家を訪れたのは今から三十八年ほど前のこと。
カウンターだけの小さな店だった。
若い夫婦が二人で切り盛りする小さな店。
ハムとレタスとゆで卵を挟んだロール・パンは美味しかったし、
カリカリに揚がったドーナッツも美味しかった。
若い夫婦が醸し出す、
その雰囲気がなんとも気持ち良かった。
いくら通いつめても、
客とは無駄な会話を一切交わさない、
その姿勢も気持ちよかった。
設立されたばかりの
大阪芸大の学生たちの溜り場でもあった。
フォーク・シンガーの卵たちもよく出入りしていた。
若い頃の谷村新司も常連であった・・・。
白い家からは多くのアーティスト達が巣立っていった。
Nさんご夫婦との交流も三十八年になる・・・。
神戸から阪神高速を走って帝塚山まで約一時間。
白い家は定休日だった。
残念・・・・。
白い家には青春時代の思い出がいっぱいつまっている。
またいつか来ることにしよう。