■ 送別会
Fさんがロンドンに転勤することになった。
転勤の期間は五年になるらしい。
「小黒三郎」さんの倉敷のアトリエでミニ送別会を開く。
集まったのは、
Fさんと私、
そして、F社のMさんとMさんの四人。
料理を作るのは小黒さん。
私たちの役割りはただ食べるだけ。
タマネギと鰹節のサラダ、
莢隠元とレタスのサラダ、
大根としめじの煮物、
烏賊とハマチの刺身・・・・。
なんだか酒の肴のような料理ばかりだったが、
トマトと鶏肉とトウモロコシのシチューは絶品だった。
小黒さん自慢の料理らしく、
頼みもしないのに、
レシピのコピーがサッと出てきた・・・。
Fさんと初めて出会ったのは十七年前の夏。
渋谷の東急本店で開催された
「創作おもちゃフェスティバル」の会場だった。
その後、Fさんはミュンヘンに転勤になる。
私がドイツに進出するチャンスをくださったのはFさんだった。
独日協会の前会長でいらっしゃったガンツェンミューラーさん、
ハンドヴェルクスカマーのぺーター・ニクルさん、
シュピール・グートのリーゼロッテ・ぺーさん、
画家のビネッテ・シュレイダーさん・・・。
Fさんを通じていろんな人と知り合うことができた。
そのFさんがロンドンに行く。
Fさんが住む予定のコンドミニアムの写真を見せていただく。
築百年のレンガ積みの建物。
建物の前には素晴らしい庭が広がっている。
ロンドンに出かける折には泊めていただくことにしよう。