■ 藤田隆さん
トイレット・ペーパーの芯で笛を作ったり、
ニンジンの芯をくりぬいて笛を作ったり、
植木鉢でドラムを作ったりと、
手作り楽器講座で有名な「藤田隆」さん。
一風変わった上方のおもろいオッサンと思われているが、
実は大阪音大の教授であり、
リコーダーの名手でいらっしゃる。
その藤田さんのリサイタルに出かける。
場所は大阪の「ザ・フェニックス・ホール」。
会場は満席であった。
ピアノとエレクトーンは、
大阪音大の助教授でありジャズ・ピアニストでもある「森宏」さん。
ギターは「増井一友」さん。
ウッドベース「木村知之」さん。
ドラムスは「東敏之」さんという構成。
リサイタルは二曲の「エスタンピ」から始まる。
エスタンピは十四世紀末のイタリアの舞曲であるらしい。
初めて耳にするメロディとリズム。
ギターやドラムスの音色とよくマッチする音楽ではあるが、
どこかペルシャ風の旋律が混じっているようにも聴こえる。
北イタリアのベルガモ地方に起源をもつ舞曲「ベルガマスカ」、
「テレマン」の「パルティータ」、
そして、ブラジルの混血音楽ともいえる「ショーロ」の「ヴィットリア広場」、
「サンバ」で「アルフォンシーナと海」、
「ボサノバ」の「アレクサンダー坊やのラテン」・・・とプログラムは続く。
時折入る藤田さんの漫談がこれまた面白い。
「どうでっか!すごいでっしゃろ?」
「リコーダーはこんなコトもできまんねん」
「リコーダーの可能性は無限でんなぁ」、という
藤田さんのほんわかとした熱い思いが伝わってくるリサイタルであった。