■ 新作/PIEROT
静岡のK画廊でピエロ展が始まる。
陶器で作られたピエロ、
布で作られたピエロ・・・・。
様々な表情を浮かべたピエロが一堂に集まる。
ハンドルを回すと、
薄い板の上でピエロが飛び跳ねるように踊りだす・・・。
そんなカラクリを作った。
ピエロが踊り始めると、
細いワイヤーに取り付けた三日月もユラユラ揺れる。
「月の光の照る辻に
ピエロ ピエロ ピエロ さびしく立ちにけり
ピエロの姿白ければ 月の光に濡れにけり
あたりしみじみ見まわせど
コロンビーヌ コロンビーヌ コロンビーヌ
コロンビーヌ コロンビーヌの影もなし
あまりの事の悲しさに
ピエロ ピエロ ピエロは涙ながしけり 涙ながしけり・・・」と、
詩集「月光とピエロ」の中でそう詠んだのは「堀口大學」だった。
月の光の照る辻で
いくら待っても愛するコロンビーヌはやって来ない。
コロンビーヌは今夜もアルルカンと会っているのだろうか・・・。
そんなピエロの表情をカラクリで表現するのはとても難しい。
全身を真っ白に塗装した。
目だけを深いブルーに塗った。
目の大きさと、その位置に苦労する。
来月の中旬からは博多で展覧会が始まる。
もう一つ作ることにしよう。