■ 定吉七/さだきちせぶん

aquio2005-08-26

「東郷隆」著による
「角のロワイヤル」が AMAZON から届く。
定吉七」シリーズ全五冊の内の一冊。
これで定吉七シリーズが全巻揃ったことになる。
関東に「NATTO/なっとう」という秘密組織がある。
NATO/北太西洋条約機構」ではない。
NATTO は関西文化を否定し、
神田明神東照大権現を崇め、
「全関西人の食卓に納豆を」をスローガンに掲げて
暗躍する謎の秘密結社。
下部組織に謎の殺人集団「KIOSK/キオスク」を擁する。
KIOSK は「関東一円お弁当殺人協会」の略。
その NATTO の暗躍を阻止せんと活躍しているのが、
大阪商工会議所秘密会所」。
組織を支配しているのは「土佐堀のご隠居」こと「千成屋宗右衛門」。
その大阪商工会議所秘密会所から殺しのライセンスを与えられているのが、
主人公の「定吉七/さだきち・せぶん」。
①「定吉七は丁稚の番号」は「007は殺しの番号」、
②「ロッポンギから愛をこめて」は「ロシアから愛をこめて」、
③「角のロワイヤル」は「カジノ・ロワイヤル」、
④「ゴールドういろう」は「ゴールド・フィンガー」、
⑤「太閤殿下の定吉七番」は「女王陛下の007」・・・・。
全巻これ「007」のパロディ。
主人公の定吉はなかなかのいい男なのだが、
後頭部に十円玉大のハゲがある。
直属の上司は「雁之助/がんのすけ」と呼ばれる番頭。
テレビがまだ白黒であった頃、
大阪の商家を舞台にしたドタバタ喜劇、
「番頭はんと丁稚どん」という名物番組があった。
番頭役は「芦屋雁之助」、
丁稚役は「大村崑」「芦屋小雁」「茶川一郎」の三人。
大村昆の後頭部には十円玉大のハゲがあった・・・。
「007」と「番頭はんと丁稚どん」、
定吉七」はこの二つをごちゃ混ぜにしたような小説。
これを「ハードボイルド」と呼ぶかどうかは意見の分かれるところだが、
人目のあるところでは絶対に読むことはできない。
胃が痙攣し、肩が震えるほど笑える・・・。
今夜は「角のロワイヤル」で夜更かしすることにしよう。