■ お昼ご飯

aquio2005-09-06

岡山から帰る。
神戸に帰ってきたのは午後三時半を少し過ぎていた。
昼食をとっていなかったことに気付き、
息子の店に出かける。
「なんか食べるもんない?」
「火をぜんぶ落としてしまったから何もできんよ」
「火を使わなくても食べられるものって何かないの?」
「う〜ん、パンぐらいかなぁ・・・」
「じゃぁ、パンでいいや。コーヒーもつけてね」
「ほ〜い」
テーブルの上に置かれたのは、
白い皿の上に乗った二切れのパンだった・・・。
「パンっていうたらほんまにパンだけやねんなぁ」
「だって、他に何にもないもんね」
「せめてジャムくらいつけてくれへんか!?」
「料理にジャムは使わんもんね」
「それじゃぁ、せめてハムとかベーコンとかアンチョビとかサラミとかさ・・・」
「う〜ん、面倒くさいなぁ」
「お昼の時間が終わったばかりでお疲れのこととは存じますが、そこをなんとか・・・」
「アッ、そういえば友達にもらったジャムがあったわ」
「オッ、ありがたいねぇ」
「ほいよ」
シャルドネー?何これ?」
「ワインのジャムらしいよ・・・」
「美味しいの?」
「知らんもんね」
確かにジャムはワインの味がした・・・。
「父が疲れて帰ってきたというのに、仕打ちが冷たすぎへんか・・・?」
「はいはい、夜の仕込みをせんといかんから早く食べて早く出ていってね」
「へいへい・・・」
「アッ、コーヒーは二百円でいいよ!」
「エッ、お金とるの?」
「パンはサービスしとくからね」
人には優しく接するようにと教育してきたが、
どこでどう間違ったのだろう・・・・。
親にはもっと優しく接するようにと教えておけばよかった・・・。