■ ドゴン

aquio2005-09-19

万博におけるメイン・イベントは昨日でおしまい。
今日はアフリカ館を探検しようと決めていた。
マリ共和国に住むドゴン族の展示を見たかったのだ。
ほとんどの国がイスラム教化されているアフリカにおいて、
ドゴン族は独自の宗教と文化と言語を保ってきた。
四十五年ほど前まで、
マリ共和国はフランスの占領統治下にあった。
したがって、国の公用語はフランス語であるが、
フランス語を操れる国民はほとんどいない。
フランス語を操れるのは相当なインテリであるらしい。
「=♂∞*&#£℃¥・・・?」
ある仮面の前に佇んでいた私に、
一人のマリ人がフランス語で話しかけてきた。
「ドゴンの仮面に興味があるのか?」と、
フランス語でそう訊いているみたい・・・。
私は英語も解らないが、フランス語も解らない。
仕方がないから、大阪弁で対応することにした。
標準語と大阪弁・・・・。
ま、バイリンガルといえばバイリンガルではあるけどさ。
「ドゴンの歴史と文化に興味があるねん」と答える。
「∞@>≦£¢§@」とマリ人が言う。
「何を言うてんのかさっぱり分からへんで」と答える。
マリ人は小さな電卓を事務所の中からもってきた。
「◎☆@∞♀¥※&#£%・・・!」
「あの仮面に興味があるなら売ってもいいよ」と、私にはそう聞えた・・・。
「なんぼで売ってくれる?」
マリ人は「30000」と電卓のキーを叩いた。
私はマリ人から電卓を取り上げ、「5000」とキーを叩いた。
「20000 vs 6000」「18000 vs 6500」
「15000 vs7000」「13000 vs 8000」
「11000 vs 9000」「10000 vs 10000」
お互いが電卓を叩き続けた結果、一万円で決着がつく。
素晴らしい買い物をしたと思う。
「○◎℃±&※◎☆§*#%∞♀◎◇・・・!」
マリ人はそう言うなり背を向けて歩き去っていってしまった。
「値切りやがってこのバカヤロー。二度と来るなよな」と、
私には彼がそう言っているように聞えた。
買った仮面は「山羊」の精霊のシンボルであるらしい。
それにしても、展示物を売ってもよかったのだろうか・・・。