■ 面接

aquio2005-09-23

今日は神戸の職場の面接日。
机の上には九名の方々の履歴書が届いている。
男性二名、女性七名の履歴書。
午前十時半から面接を始め、女性四名の採用を決定する。
「今までに一番印象に残った本は?」と、
私はいつもそう聞くようにしている。
どのような本をどのように読み、
そして、どのような印象を持ったか・・・?
それさえ訊けば、
その人の人となりがなんとなく理解されるのだ。
面接に来た二人の男たちは書物を読んでいなかった。
漫画本に親しんできたらしい・・・。
二人の男には覇気というものが感じられなかった。
声も小さい・・・。
面接を受ける態度もどことなくなよなよしている・・・。
フェミニズム」とか「ジェンダー」といった言葉も思想もない時代、
「男は男らしく」と育てられた我々の世代の男から見れば、
なんとも頼りなく映る・・・。
これが、槍を担いでマンモスを追いかけていた男達の末裔かと、
ほとほと情けなくなる・・・。
「アダムの裔(すえ)」という短編小説があった。
小松左京」が四十年ほど前に著したSF。
社会への女性進出が果たされた結果、
男たちは生殖行為以外にすることがなくなってしまう。
そのため、男たちの身体は次第に進化(?)していき、
最終的には睾丸とペニスだけの存在になってしまう。
赤いリボンをつけられ、
紐で結わえられた男(睾丸とペニスだけの)たちは、
女の後ろをピョンピョン飛び跳ねながら散歩させられる・・・。
女たちは、「ま、今日も○○ちゃんは元気そうね!?」とか、
「うちの△△ちゃんはいい仕事をするのよ」といった挨拶を交わす・・・。
抱腹絶倒の内容のSFだった。
男の身体がそこまで進化するとは考えられないが、
精神的にはそれに近い状態にあるのではないか・・・・と、
面接をしながらそんなことを考えていた。
槍を担いで女達がマンモスを追いかける日も近い。