■ 執行猶予
寸法を間違えて木材を切ってしまったことに気付く。
仕上げを急いだために起きたアクシデント。
明日が締め切りの仕事・・・・。
今から作り直すとしても、
とてもじゃないが間に合わない。
P社のTさんに連絡を入れる。
「いいですよ、十七日までお待ちします」という返事。
いやにあっさりと言うではないか・・・。
確認のため、U社のSさんに連絡したところ、
「ギリギリ二十六日でも間に合いますよ」という返事。
どうやらTさんは納期にサバを読んでいるみたい・・・。
Tさんとは長い付き合い。
「N(私のこと)のことだから、どうせ遅れるに違いない」と
行動を読まれているようなフシがある・・・。
ま、たしかに私は今まで納期を守ったためしがない。
いつも何日か遅れてしまう。
人に遅れをとるのは大嫌いだが、
納期に遅れをとるのはあまり気にならない・・・。
いつもそうだが、
お尻に火がつかないとアイデアが浮かんでこないのだ。
私に限らず、
もの作りに携わる人間には同じような行動パターンが見受けられる。
納期が差し迫っているというのに、
映画を観にいったり、酒を飲みに出かけたりする。
ある意味、現実逃避とも捉われかねないような行動をとることが多い。
仕事が嫌いというワケではない。
できなかったことに対して責任を負う覚悟はもっているし、
誰かに責任を転嫁するつもりもない・・・。
そうは考えているものの、
お尻に火がつかないとアイデアが浮かんでこないのだ。
困った性格だとほとほと嫌になることもあるが、
人には優しく・自分にはもっと優しくが私の身上であるから、
それを直すつもりもない・・・・・・・。
Tさんには一週間の執行猶予をいただいた。
彼の顔をつぶさないよう頑張って作ってみよう。