■ 徹夜/その2

aquio2005-10-31

また徹夜をしてしまった。
急ぎの仕事を抱えているワケでもないのだが、
制作に集中すると時間の経過が分からなくなってしまう。
気が付けば、時計の針は午前五時を指していた・・・。
アパートに帰って仮眠をとろうかと迷ったが、
「クーパー」をしばらく動かしていなかったことを思い出し、
真っ暗な道を駐車場まで歩く。
「クーパー」の車内は冷蔵庫のように冷えきっていた。
レザー・シートの冷たさがスラックスを通して伝わってくる。
カチカチと歯が音をたてるほど身体が震える。
クーパーのご機嫌も斜めであった。
チョークを引っ張りアクセルを何度か踏んでいるうち、
咳き込むような音をたててエンジンが息を吹き返す。
「ごめんね、長い間ほったらかしにしておいて」、とクーパーに謝る。
エンジンにしばらく暖機運転をさせている間、
車外に出てストレッチ運動を始める。
運転手にも暖機運転が必要なのだ。
シフトをロー・ギアに入れ、クラッチを繋いだ瞬間、
「クーパー」は蹴飛ばされたような勢いで発進する。
六甲山の頂上に向けて「クーパー」を走らせる。
オースチン・ミニ・クーパー・S・マークⅡ」のエンジンはとてもピーキー
高回転域でこそ、その性能が遺憾無く発揮される。
常に高回転を維持しないことにはエンジンのご機嫌が悪いのだ。
常にハイ・スピードで走ることを要求される・・・。
坂道の途中、
神戸の街が見下ろせるポイントで停車し、煙草に火を点ける。
百万ドルの夜景と評される神戸の街だが、
さすがにこの時間では明かりの数も少ない。
いろんなストレスを抱え込む時もあるが、
私は根っから車の運転が好きなんだろうと思う。
車を走らせていれば、いろんなコトを忘れられる・・・・。