■ 足りる

aquio2005-12-02

昨日から東京に来ている。
右を見ても左を見ても、
見えるのは人と車とビルだけ・・・。
山も見えなければ森も見えない。
赤坂の街を歩いていて、
眉間に皺を寄せている自分がいることに気付く。
東京に一年も住めば、
確実に人相は悪くなってしまうのではないだろうか。
赤坂から地下鉄を乗り継いで葛西へ向かう。
時間は午後一時。
午後一時だというのに、
乗客のほとんどは泥のように眠りこけていた。
疲れきったような寝顔・・・。
田舎に住むには力がいるが、
都会に住むにも力がいるな・・・と、そう思う。
葛西からバスに乗り、
ある画材メーカーの本社ビルに向かう。
商談は驚くほどスムースに終る。
バス停で次のバスが来るのを待つ。
見えるのは汚れた鼠色の空と、
効率だけを考えて建てられた四角い建物の群れ。
心が荒むような景色。
仕事に就く・収入を得る・生活をする・・・。
それだけのことであれば、
東京にしがみつかなければならない必要性はどこにも無いように思える。
「足りる」ということを知れば、
人はもう少し豊かに暮らせるのではないだろうか・・・。
そんな気がする。