■ 誕生日

aquio2005-12-07

昨夜、遅くにアパートのチャイムが鳴った。
扉の外にはレストランを経営する息子が立っていた。
手に大きな白い箱を持っていた。
箱の中には大きな「バースデー・ケーキ」が入っていた。
キャラメル・クリームをたっぷりと使ったケーキ。
「ちょっと早いけどお誕生日おめでとう」
「明日は出かけるから今日持ってきた」と言ってくれる。
店を閉めた後、
わざわざ私のために作ってくれたらしい。
嬉しい。
とても嬉しい。
今日で私は五十九歳になる。
来年は「還暦」を迎える。
いろいろなことがあった。
いろいろなことをしてきた。
振り返ると、
とても長い五十九年であったと思えるし、
とても短い五十九年であったとも思える・・・。
過去には「死」を覚悟する出来事も二度ほど体験したが、
よく今日まで生き延びてこれたものだと思う。
多くの人々に支えられてきた人生であったと思う。
残された時間はそう多くはないだろう・・・。
多くはないが、
やり終えねばならないコトが山ほどある。
やりたいコトも山ほどある。
同年輩の男たちが次々とリタイアしていく中にあって、
私はリタイアを許してはもらえない状況にある。
生涯を現役で終えることになるのだろうか・・・・。
私の生活に「老後」は無いように思えるが、
それはそれでとても幸せなコトなんだろう・・・。
いっぱい遊んだし、いっぱい仕事もした。
いっぱい子どもを愛したし、いっぱい女も愛した。
たくさんの人々とも関わった・・・。
「あぁ面白かった」
「あぁ楽しかった」と、
そう感じながら生涯を終えたいものである・・・。