■ 一休

aquio2006-01-19

「有漏路より無漏路へ帰る一休み
 雨降らば降れ風吹かば吹け」。
「有漏路/うろぢ」というのは、この世とか、
煩悩が多い者のいる世界という意味の仏教用語
「無漏路/むろぢ」というのは、
煩悩に汚されない清浄の世界というような意味の言葉。
「漏」は「煩悩」を意味する。
人間としてて生きるということは、
常に煩悩と背中合わせの生活であるともいえる。
あれが欲しい、これが欲しい、
あれをしたい、これをしたい・・・。
これが仏教で言うところの「有漏路」。
煩悩に汚されない清浄の精神世界に住んでいても、
人間である以上、
この世における日々の生活を欠かすことはできない・・・。
従って、無漏路に住んでいる人間でも、
一時的にせよ有漏路の世界に戻らねばならない、という必要性が生まれる。
有漏路から無漏路の世界に帰る時にちょっと一休み・・・。
その「一休み」の瞬間にこそ、完全な自由が得られる。
風が吹いたとしても、雨が降ったとしても、
その一休みの瞬間において、
私の心は外界の出来事に動かされることはない・・・・。
「精神世界に住んでいる坊主とはいえ、
 世俗の世界に戻ったら、
 またいろんな煩悩に悩まされることになるのだろうなぁ・・・。
 私も人間だから美味いものも食べたいし、セックスもしたい。
 有漏から無漏の世界に帰る時には一休みすることにしよう。
 雨が降ろうが風が吹こうが、
 そんなことは知ったこっちゃない。
 一休みしている時、私の心はとても自由なんだもんね・・・・」。
砕いて言うと、このような意味になるのだろうか。
いまいちよく解らないが、
ま、そのうちこの詩の本当の意味が解ってくるようになるだろう・・・。
「有漏路から無漏路へ帰る一休み・・・」
禅僧であった「一休宗純」の、その名前のルーツがこの詩にある。
今、「一休」の生き方にとても興味を持っている。
栗田勇」著による「一休」と、
「柳田聖山」訳による「一休宗純・狂雲集」を買う。