■ 赤い靴

aquio2006-02-01

「ちゃんとお布団の中に入って寝なさいよ」
「は〜い」
「炬燵の中で寝ないように」
「は〜い」
「栄養のバランスのとれた食事をしなきゃ駄目よ」
「ほ〜い」
私を散々にいたぶって気が済んだのだろう、
今朝、母と妻は岡山の自宅に戻っていった。
アパートに静けさが戻る。
なんであんなに騒がしいのだろうか・・・・。
男に家事の切り盛りができるものかと、
そう思い込んでいるところに、敵の油断がある。
能ある鷹は爪を隠すのだよ。
今日から花の単身生活。
嬉しいなったら嬉しいな・・・、なのでありますね。
近くの中華料理屋で簡単な夕食を済ませた後、
酒をチビチビとやりながら「赤い靴」を観る。
「赤い靴」は、
あの「アンデルセン」による同名の童話が題材になった映画。
死ぬまで踊り続けた踊り子の物語・・・。
物語よりも、
「TECHNICOLOR/テクニカラー」による、その色彩の美しさに目を奪われる。
テクニカラー」は
レンズの前に三色のカラー・フィルターを置き、
三本のフィルムを同時に回して色分解を行う・・・という技法。
色の三原色は「M=赤」と「C=青」と「Y=黄」、
光の三原色は「R=赤」と「B=青」と「G=緑」。
その色と光の三原色の性質を巧みに利用した技術。
テクニカラー」は
三色に分解された三本の単色フィルムを合成し、
それを一本のカラー・フィルムに仕立てるという、
とてつもない手間がかかる技法であった。
昔、「テクニカラー」のことを「総天然色映画」と呼んでいた時代があった。
映画を観ているうち、
炬燵に脚を突っ込んだまま寝てしまう・・・。