■ 更年期障害
何年前のことになるだろう、
左耳に耳鳴りを覚え、
右手に痺れを覚えるということがあった。
医者の診たては「更年期障害」であった。
加齢によるホルモンの減少が引き起こす様々な障害。
初潮、出産、閉経・・・、
女性ほどの劇的な身体変化はないものの、
男にも「更年期障害」があることを初めて知る。
数年後、耳鳴りと右手の痺れは治まったが、
次には右大腿部に痒みを覚えるようになる。
たくさんの虫が這いずりまわっているような、
なんとも形容しがたい痒み・・・。
大腿部の痒みが治りかけるともに、右耳の耳鳴りが始まる・・・・。
今日も朝から耳鳴りが止まない。
耳の中で秋の虫の声が聞える。
美しいBGMが聞えると思えば気にもならないが、
ホルモンの減少は精神に影響を与えることがある。
ここ数年来というもの、
自分の中にあった攻撃的な部分が徐々に無くなりつつある。
「人間は歳とともに円くなる」と言われるが、
多分、それはホルモンの減少が強く影響しているように思える。
角がとれて随分と円くなったと思うが、
「なぜ円くならないといけないのか・・・?」、
その肝心の部分が理解できていないから、円くなるつもりはまったくない。
つもりはないが、少しずつ角がとれていく・・・。
それにしても、五十代の男たちの自殺が後を絶たない。
いろいろなことを背負っているのだろうが、
更年期障害は「鬱」に近い症状を引き起こすこともある。
「鬱」が自殺の引き金になる・・・・。
真面目な男ほど「鬱」になりやすいのではないだろうか。
頭のいい男ほど「鬱」になりやすいように思える。
不真面目な人間でよかったと、つくずく思う今日この頃ではある。