■ 入試問題

aquio2006-03-07

昨年の八月、
私はM新聞社の依頼で
八百字ほどの小論文を寄稿したことがあった・・・らしい。
昨日、ある芸大の入試課から電話が入る。
「貴方の論文を今年の入試に使わせていただいた」
「事後承諾になるが許可をいただきたい」
電話はそのような内容だった。
入学試験という性質上、
事前に承諾を得ることは出来ないらしい。
ま、それはそうだろう。
どこからその情報が漏れるか知れたものではない。
「どのような文章であったかは記憶にない」
「しかし、著作権はM新聞社に帰属しているはず」
「M新聞社に確認をとって欲しい」
と、そう答えておいた。
今朝、M新聞社のTさんから、
「M新聞の記事が入試問題に使われるのは初めてのことですわ」
「大阪支社始まっていらいの快挙ですわ」
と、やたらにテンションの高い連絡が入る。
「それはよかったでんなぁ」
「それで、Tさんに金一封は出るんでっか?」、と訊くと、
「出まへん!」という返事。
それにしても、
私はその原稿を書いたことすら忘れてしまっていた。
言われれば、書いた憶えがあるような、ないような・・・。
M新聞社からその記事をファックスで送っていただく。
「子どもにとっての遊びは学ぶことと同じような意味をもつ」、
小論文の内容はそのようなものであった。
それにしても、
書いた本人が忘れてしまっているような文章で、
いったい何人の受験生が頭を悩ましたのだろうか。
そのシーンを想像すると可笑しさがこみ上げてくる。
ある意味、受験生には気の毒なことをした・・・、とも思う。
「この文章を読み、<遊び=学び>を皆さんがどう考えるか」
「それぞれの考えを八百字の小論文にまとめよ」
試験問題はそのような課題であった。