■ 馬子にも衣装

aquio2006-03-10

息子Sの就職が決まる。
東京に本社がある企業。
その大阪支社に勤務することが決まったらしい。
息子に二着のスーツをプレゼントする。
コーデュロイのスーツと、
薄手のフランネルのスーツ。
表参道にあったメンズ・ショップで購入したもの。
買ったのは二十五年ほど前のことだが、
袖に手を通した記憶がほとんどない。
二着ともほとんど新品。
これらのスーツを買った時、Sはまだ生まれていなかった。
体形が似通っているから寸法もぴたりと合う。
「ネクタイはないの?」と言うから、
ニット・タイを二本と、
レジメンタル・ストライプのタイを一本おまけにつけてやる。
馬子にも衣装というが、
なんとなく顔が引き締まって見えるから不思議。
しかし、
身体の動きがどことなくギクシャクしているように見える。
どことなく可笑しい。
しかし、私も四十年前にはこうであった。
そのうち、息子も一端の顔をして街を歩くようになるのだろう・・・。
今月から大阪での一人暮らしが始まる。
妻は「独りで大丈夫かしら?」としきりに心配しているが、
なに、息子は妻よりはるかにしっかりしている。
勤務先は「堂島アバンザ」の中にあるらしい。
知人が経営する寿司屋のすぐ近く。
たまには美味い寿司でも食べさせてやろう。
美味しいエスプレッソを飲ませてくれる店のすぐ近く。
たまにはコーヒーを飲みながら語り合ってみることにしよう。