■ 八海山

aquio2006-04-14

当番の朝はいつもより早く起き、
教室の鍵を開け、
大きな石炭バケツを持って石炭置き場に向かう。
ストーブの中の新聞紙に火を点け、
新聞紙が勢いよく燃え上がったところに木っ端を入れる。
木っ端の火勢が強くなったころを見計らって石炭をくべる。
私が小学生であった頃、
学校には「ストーブ当番」という制度があった。
授業が始まるまでに教室を暖めておく、
それが「ストーブ当番」の仕事だった。
あの時代、
暖をとるものといえば練炭火鉢に豆炭炬燵、
そして「達磨」と呼ばれた石炭ストーブしかなかったように思う。
子どもの頃から寒さに慣れているのだろう、
とうとう今冬はストーブを使わずじまいだった。
今冬の灯油の使用量はゼロに終わった。
今は「フリース」という軽くて暖かい素材の防寒着がある。
足を炬燵に入れてフリースを着ていれば、
それだけでけっこう暖かく過ごせる。
子どもの頃は綿入りの重いドテラを着ていたものだった・・・。
さて、机の上の仕事もあらかた片付いた。
六甲山の桜は今が見頃。
近くの寺の枝垂れ桜を見にいこうか。
今日は朝からけっこう冷える。
風も冷たい。
「花冷え」とはこのこと。
今夜は水炊きを作ろう。
具は何がいいだろうか・・・。
足を炬燵に入れ、
鍋をつつきながらKさんに頂戴した「八海山」をチビチビとやることにしよう。