■ ムーラン・ルージュ/紅い風車

aquio2006-05-03

久しぶりにビデオ・ショップに出かける。
ロートレック」の半生を描いた映画、
ムーランルージュ/紅い風車」を買う。
子どもの頃、
ロートレック」は階段から落ちて足の骨を折ってしまう。
接骨の手術は失敗し、
その時から彼の下半身の成長は止まってしまう。
フランスの名門貴族の跡継ぎとして生まれた
ロートレック」であったが、
彼の両親は従兄妹の関係にあった。
名門の血統を護るため、
どうやら「近親婚」を繰り返してきた家系でもあったらしい。
映画の中でもそのことを臭わせる台詞があった。
上半身は大人、下半身は子ども・・・。
ロートレック」の身体的特徴は、
骨折とは違うところに、その原因があったようである。
ロートレック」は、
その身体的欠陥に大きなコンプレックスを持ったまま生涯を過ごす。
彼は社会の底辺に生きる芸人や娼婦を好んで描いた。
キャバレー「ムーランルージュ」のポスターを手がけた時から、
彼の名声は不動のものになっていく。
しかし、それとともにコニャックの量も次第に増えていく・・・。
「早く死にたい」、そう思いながら生きていたのだろう。
映画は彼の自虐の人生を描いていた・・・。
死の直前、彼の描いた絵が「ルーブル」に買い上げられるというニュースが届く。
生存する者の作品を「ルーブル」が買い上げる。
それは過去に例のない出来事であったらしい・・・。
人と深く交わりたいと願いながら、
その身体的欠陥から、人から愛されることを拒絶する。
「女に愛されるはずはない」と、
そう思い込まざるを得なかった哀れな男の物語でもあった・・・。
ロートレック」は三十六歳の若さでこの世を去る。
一人の天才の凄まじい人生がそこにあった・・・。