■ ガス

aquio2006-05-28

湯を沸かそうとしてコンロのスイッチをひねる。
「ボッ」という音とともに火が点く。
着火を確認し、
下着類やコットン・スラックスの洗濯にとりかかる。
水量の目盛りを調節して洗濯機のスイッチを入れる。
台所に戻って驚いた。
コンロの火が消えていたのだ。
慌ててコンロのスイッチを切り、ガラス戸を開ける。
しかし、ガスの臭いが漂っていないことに気付く。
時間をおき、コンロのスイッチをひねる。
着火音は聞えるが、ガスが流れてきていない・・・。
風呂場に向かい、元栓をひねって蛇口を開ける。
いつまで経っても湯が出ない・・・。
玄関の扉を開け、ガスの元栓を確認する。
ガスの元栓はロックされていて、
「ガス料金未払い」の札が貼ってあった・・・。
ガスの料金を払っていなかったのだ。
「料金自動引き落とし」の手続きを済ませていなかった。
電気と水道についての手続きはとっくに済ませていたが、
ガスだけがまだだった・・・。
いつもは最寄のコンビニから料金を振り込んでいた。
しかし、ここ二ヶ月ほどは振り込んでいなかったことを思い出す・・・。
私は時々このようなポカをすることがある。
「ま、出なきゃ出ないでいいもんね」
「どうせ気楽な独り暮らしだもんね」と、
コーヒー・メーカーでコーヒーを沸かす。
冷蔵庫からピーナッツ・バターを取り出し、
クラッカーに塗って食べる。
「水道完備・ガス見込み」
昔、そんなタイトルのテレビ番組が流行った時代があった。
水道すら完備されていない日本。
そんな時代がつい四十五年ほど前にあった・・・。
スイッチをひねれば風呂が沸く。
便利な時代になったという感慨はある。
感慨はあるが、
不便な時代には人は助け合って生きていた・・・。
しかし、ま、いつまでも「ガス無し生活」というのも不便ではある。
近々手続きを済ませることにしよう。
今日は職場に大阪音大の藤田さんがいらっしゃる。
明日からは新潟に出張しなければならない。
今日は有馬の温泉にでも浸かって帰ることにしよう。