■ シャンペン

aquio2006-06-07

今日はいい一日だった。
天気も良かった。
めったに無いことだが、
何のトラブルもなく仕事もすべて片付いた。
馴染みのカフェで簡単な夕食を済ませる。
馴染みの酒屋に出かけ、
ハーフ・ボトルの「ドン・ペリニョン」を買う。
ついでに一個のシャンペン・グラスも買う。
冷蔵庫からベーコンを取り出し、
分厚く切ってソテーする。
誰もいない部屋で、
今日一日を振り返って乾杯する。
独りぼっちだが、寂寞感は、まったくない。
独りでいることに慣れてしまったのか、
それとも寂しさを感じなくなってしまったのか・・・。
友人知人の数は多いが、
振り返ってみれば、
子どもの頃から独りで遊んでいることの方が多かったように思う。
「酒は静かにのむべかりけり」と、
そう詠んだのは「若山牧水」であった。
仲間や女と飲む酒もいいが、
独りで飲む酒というのも、なかなかにいい。
友人であったKとHのことを不意に思い出す。
Kは五年前の五月五日に死んだ。
胃癌だった。
Hは六年前の七月七日に死んだ。
腎臓癌であった。
二人とも苦しみぬいて死んでいった・・・。
五月五日と七月七日。
私は六月六日に死ぬことにしよう。
酔いが回った頭でそんなことを考える。
寂寞感は無いとはいえ、
独りで飲む酒は過去を思い出させてしまう・・・。