■ 年増/としま
広辞苑で「年増」を引く。
「娘盛りをすぎた女性」
「やや歳をとった女性」
「江戸時代には二十歳過ぎを言った」と、
そこには記載されていた。
ついでに「大年増」と「中年増」を引く。
「年増の中でも年かさの女」、
そのことを「大年増」と言うらしい。
「中ぐらいの年増」
「二十三、四歳から二十八、九歳ごろの女」
それを「中年増」と言うらしい・・・。
ということは、
三十歳以上の女性のことを「大年増」と呼ぶということになる。
「江戸時代とは年増の定義が違うのではないか!」
「現代では何歳からを年増と呼べばいいのか?」
喧々諤々の「年増」議論が始まる。
Aは「いやぁ、年増っていうのは三十九歳ぐらいからじゃないの」と言う。
Yは「俺は四十二歳ぐらいからだと思う」と言う。
それが彼らの結論であった。
切りのいい「三十五歳」や「四十歳」なら話は解るが、
何なのだろう、その「三十九」とか「四十二」という微妙な数字は・・・?
問い詰めてみると、
お付き合いのあるガール・フレンドのお歳であった。
なるほど・・・!
来年の今頃、彼らにもう一度同じ質問をしてみることにしよう。
答えが「四十歳」、「四十三歳」であれば、
同じ女性とお付き合いが続いていると判断できる。
しかし、彼らの場合、
答えが若返るということも充分に考えられるのだ・・・。
実に羨ましい・・・。
葉に先立って花を開かせる桜を総称して「姥桜」と呼ぶ。
「葉(歯)のない桜」という意味であるが、
「娘盛り」が過ぎても、なお美しいままでいる女性のことも「姥桜」と呼ぶ。
娘盛りが美しいのは当たり前ではあるが、
美しく歳を重ねる女は、そうはいない。
男もそうはいないが・・・。