■ 黄昏アンソロジー

aquio2006-06-16

人形劇団「みのむし」の
「飯室康一」さんがアトリエにいらっしゃる。
新作「黄昏アンソロジー」の人形を見せていただく。
主人公はヨレヨレのスーツを着た、
どこにでもいそうな酔っ払いのオッサン。
スラックスのチャックは開きっぱなし。
スラックスの前からワイシャツの裾がはみ出ている。
酔っ払った挙句、ところ構わずゲロは吐くは、
クシャミをした途端に青洟は垂れるは・・・と、
サラリーマンの悲哀を
一身に背負ったようなキャラクターの持ち主であるらしい。
人形の髪は「八二」に分けられていて、
風が吹くと薄い髪が大きく煽られるように作られている。
「黄昏アンソロジー」では、このオッサンの他に、
「危ない感じのオバサン」と「ヤンキーのお兄さん」も登場するらしい。
その登場人物の設定を聞いただけで大笑いしてしまう。
「アンソロジー」とは詩文の選集のこと。
つまりは「詞華集」のことであるが、
人形を見るかぎりでは、
「華」は「洟」の間違いではないかと思えてくる。
それにしても、実によくできている人形ではある。
その寝息までも聞えてきそうではないか。
この秋の初演に向けて鋭意練習中とのことだが、
なんと、この人形はオシッコまでしてしまうらしい。
そのシーンを想像するだけで笑えてくるが、
できれば、
人形のオシッコはチョロチョロと出させてもらいたいものである。
「なんやしらんけど、この頃オシッコのキレが悪うなってきたなぁ・・・」
前立腺が肥大してるんとちゃうやろか!?」
「とうとうコレもオシッコするだけの道具になってしもうたなぁ」、とかなんとか、
ぜひ、そんな台詞を人形に呟かせてもらいたいのである。
それでこそ「黄昏」というものではないだろうか・・・。
次に会った時、飯室さんにはそのように提案しておこう。