■ 新宿

aquio2006-06-22

Sさん、Mさんと新宿で待ち合わせる。
場所は「アルタ」の前。
新宿といえば「中村屋」と「アルタ」、
そして、
今から三十年ほど前に閉店してしまった喫茶店
風月堂」しか私は知らない・・・。
銀座からタクシーに乗り、赤坂を経由して新宿に向かう。
約束の時間より、新宿には二十分も早く着いてしまった。
角の喫茶店で時間をつぶすことにしたが、
茶店の前には煙草の吸殻や紙くずが散乱していた。
ま、朝の新宿の光景はこんなものなのだろう。
黄色に髪を染めた若いウエイトレスが注文をとりにきた。
店内に背を向けて座り、コーヒーを注文する。
朝帰りと思われる若者達が大声で話しながら通り過ぎていく。
蓮っ葉な感じを漂わせた女の子たちが大きな口を開けて笑っている。
ホストらしき男が咥え煙草で歩いていく。
中年の女性が信号機の手前で化粧を直している。
抱えきれないほどの紙袋を持った乞食がトボトボと歩いていく。
そして、それらを眺めている私がいる。
まさしく、新宿は「人種の坩堝」のような街ではある・・・。
「ごゆっくりどうぞ」と私に声をかけた後、
ウエイトレスは店の前の掃除を始めた。
指先で一つ一つのゴミを拾っては袋の中に入れていく。
なかなかに動作が機敏。
「ひょっとしたら、とても気立てのいい子なのかもしれない」、などと考える。
今日は作曲家のSさんの事務所に行くことになっている。
お昼は「中村屋」でカレー・ライスを食べることにしよう。
ビールも一本つけることにしよう。