■ 新潟・その5
新潟県に出かける。
車窓から見える日本海は重く暗い雲を映していた。
なんとも陰鬱な景色ではあるが、
それはそれでとても美しく感じられる。
会議が終わった後、
Kさんたちと寿司屋に出向き、
刺身をつまみながら酒を楽しむ。
酒は柏崎の「原酒造」が造る「銀の翼」。
この酒は「ANA」の機内で出される酒であるという。
雲の上で飲む酒であるから「銀の翼」。
なかなかにしっかりした辛口の酒であった。
ちなみに、
私の家から車で四十分ほどのところ、
智頭町の旧道に「諏訪酒造」という造り酒屋がある。
「諏訪酒造」が造る「鵬」は「JAL」の機内酒に認定されている。
「ANA」の機内酒と「JAL」の機内酒・・・。
どちらもしかりとした味わいがあり、美味い。
飲み会は経団連の会頭であった「平岩外四」の話から始まった。
なぜ「平岩外四」であったのか、
そのあたりの記憶は、まったくない・・・。
「平岩外四」は大のハード・ボイルド・ファンであったらしい。
彼が東京電力の社長に就任した時、
その就任の挨拶というのが、
「男はタフでなければ生きていけない」
「優しくなければ生きていく資格がない」・・・という、
あの「チャンドラー」の「プレイバック」の一節であったらしい。
また、「お気に入りの一冊は?」という質問に、
「ウイリアム・アイリッシュ」の
「幻の女」を挙げたという逸話が残されているらしい。
あの「江戸川乱歩」が絶賛したハードボイルドである・・・という。
明日、「amazon」に注文してみよう。
別れ際、Yさんから新発田の地酒「菊水」を頂戴する。
新潟の酒飲みが飲む酒であるらしい。
すぐに酔っ払える酒であるらしい。