■ 傀儡師/くぐつし

aquio2006-08-06

今日は有馬温泉の夏祭り。
人形劇団「トロッコ」の代表でいらっしゃる
「潟見英明/かたみ・えいめい」さんの人形劇を観る。
「人形劇の大道芸・くぐつまわしでござ〜い」
「ここもてごらんにいれまするは
 京のみやこのかいらいし」
「さあごろうじろう」、
という大きな声とともに「潟見」さんが現れる。
頭巾を被った「潟見」さんは、
肩から大きな箱を下げ、
色鮮やかな羽織をまとっていらっしゃる。
日本の伝統的な「傀儡師」の装束・・・。
箱の中から男の子と女の子の二体の人形が現れる。
「くづつまわしのはじまりはじまり〜ぃ」。
訓練を積まれた「潟見」さんの声はマイクなしでもよく通る。
「何事が始まるのか?」と、
「潟見」さんの傍に浴衣を着た子どもたちが駆け寄っていく。
昔、西宮の夷神社には「えびすまわし」と呼ばれる一団がいた。
彼らは家々を門付けしながら回り、
人形劇を演じて金品をもらい歩いたという・・・。
金品をもらう代わりに、
彼らは人形劇を演じ、神社のお札を配って歩いたのだ。
日本における人形劇のルーツは、
この「えびすまわし」にある。
その「えびすまわし」のリーダーは「百太夫」と呼ばれる人物であったが、
西宮夷神社の権宮司でいらっしゃる「吉井」さんに伺ったところ、
「確かに百太夫という存在はあった」
「しかし、それが個人の名前であったのか、
 それともグループ全体をそう呼んだのかは不明である・・・」ということであった。
どちらにしても、
その「えびすまわし」の芸が「くぐつまわし」に発展し、
やがては人形浄瑠璃文楽へと発展していくのである。
「潟見」さんは滋賀県の「人形劇の図書館」の館長でもいらっしゃる。
一度お伺いすることを約束する。