■ COFFEE & CIGARETTES

aquio2006-09-04

「COFFEE & CIGARETTS」を観る。
映画の主役はコーヒーとタバコ。
コーヒーとタバコさえあれば、
人生なんてなんとでもなる・・・と、
そう思わせるような映画ではある。
第一話の「STRANGE TO MEET YOU」では
「CAMEL」、
第三話の「SOMEWHERE IN CALIFORNIA」では
「MARLBORO」、
第六話の「NO PROBLEM」では
「CAMEL LIGHT」・・・と、
前編にわたって様々な種類のタバコが登場する。
映画は十一の短編を並べたオムニバスだが、
特に、第十一話の「CHANPAGNE」は素晴らしい内容の物語であった。
二人の老人が紙コップに入ったコーヒーを飲んでいる。
一人の老人が、
「耳を澄ませば、マーラーの『私はこの世に捨てられて』が聴こえてくる」
「美しくて悲しい曲・・・」、と言う。
まさしく、二人はこの世に捨てられた存在であると、画面は告げている・・・。
一人の老人が、また言う。
「このコーヒーをシャンパンと思おう」
「人生を祝うのさ」
「乾杯しないか?」
もう一人の老人が問う。
「いったい何に?」
老人が言う。
「1920年代のパリの街に」
「ジョセフィン・ベーカーとムーラン・ルージュに」・・・・。
胸がグッと熱くなる。
いい映画だった。
「ジョセフィン・ベーカー」「ムーラン・ルージュ」「ロートレック
ピカソ」「藤田嗣治」「ユトリロ」「ローランサン」「ルソー」
シャガール」「ブラマンク」「モディリアーニ」「アールデコ」・・・。
俺も1920年代のパリに生きていたかった。