■ 韓国・その2

aquio2006-11-04

今日は午後二時から講義が始まる。
それまでの時間を利用し、
世界遺産に指定された「華城」に出かける。
チケット売り場で入場券を買っていると、
「日本の方ですか?」、と声がかかる。
振り向くと、上品な老紳士が立っていた。
頂戴した名刺には
水原華城文化観光解説士会・会長」と印刷されていた。
お名前を「沈/シム」さんとおっしゃる。
「沈」さんのご好意に甘え、城内を案内していただく。
パンフレットには「一七九六年築城」と記されていたが、
どう見ても、城全体の建物が新しすぎる・・・。
そのあたりのことを訊いてみると、
「日本の方にこんなことを言うもの何ですが」、と断ったうえ、
「華城」の歴史のあらましを話してくださった。
第二次世界大戦中、韓国は日本軍の統治下にあった。
日本軍の目的は韓国の文化を一掃することでもあった。
「水原」に駐屯した日本軍は「華城」を破壊し、
その跡地に「陸軍病院」を建設したという。
「華城」の施設をそのまま利用すればいいものを、
「華城」を破壊しつくしたというのだ・・・。
軍の目的は病院を建設することではなく、韓国文化の破壊にあった。
幸いなことに「華城」の設計図面が残されていたため、
昔のままに再現することができた、という。
私が破壊したわけではないのだが、
「申し訳ないことをしてしまいました」、と謝らずにはいられなかった・・・。
それにしても、「沈」さんの日本語は見事であった。
久しぶりに、正しく美しい日本語を聞いた思いがする。
「沈」さんの日本語も、日本軍に強制されて憶えたものであるという。