■ クリスマス・ピラミッド・その２

午後十時半、
クリスマス・ピラミッドの組み立てを開始する。
土台となる八角形のプレートを置き、
綺麗に削りあげられた八本の支柱をボルトで固定する。
その支柱の上に八角形のプレートを置き、
八本の支柱をボルトで固定する・・・。
作業はその繰り返しなのだが、
見ていて飽きない。
徐々に徐々にピラミッドが組みあがっていく。
先端部にキャップが取り付けられ、
十二枚のブレード（羽）が固定された時、
見守っていた関係者達の間から大きな拍手が沸き起こる。
素晴らしい・・・。
ここに至るまでの苦労は筆舌に尽くし難いものがあった。
感無量である・・・。
言葉が出てこない・・・。
いよいよ明晩はこの六枚のプレートの上に四十体の人形が乗る。
四十体の人形が乗って、このクリスマス・ピラミッドは完成する。
それまでは喜んでばかりもいられない。
明日の作業は午後十一時から始まる。
あと一日・・・。
あと一日、事故もなく無事に作業が終わることを祈るばかりである・・・。
今日一日の作業を終えアパートに向かう。
アパートに帰り着いたのは午前五時を過ぎていた。